HAPPYBIRTHDAY-主役のいない誕生日-
悲しくて……
寂しくて……
切なくて……。

自分に嫌気がさす。


「早く君の所へ……逝きたいよ。楽になりたいんだ……」


思いっきりカッターを自分の手首めがけて突きつける。

何故だか痛みは感じられなかった。
やっとこの時を迎えられた、その幸福感でいっぱいだったのだ。

赤黒い液体が流れ落ちていくのが分かる。
それでも尚、手首を切りつける。

少しずつ、瞼が重くなっていくのが分かる。

嗚呼。これで終わったのかな。

これで……僕は幸せになれるのかな。

止まらない血液。

僕はそれに向かって微笑みかける。

そして……

そして




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