コイアイ〜幸せ〜
6 すきまかぜ
山下秘書が、出張から戻ってきた。

横には、早見チーフがついている。
何があったのかはわからないけど、早見チーフは、彼女をとても心配しているように見えた。


「つららさん、気をつけて戻れよ」


「ありがと、宗助」


何があったかなんて、きっと私達には知らされることはないんだろうな。




それにしても最近の山下秘書は、女の私から見ても、ずいぶんと綺麗になったように感じる。


前から、充分に綺麗な人だったけど。



「大丈夫なんですか?山下秘書、とても疲れているように見えましたけど」


私は、まだ心配そうに彼女を見送っている早見チーフに声をかけた。


「ああ、市田か。なんでもないよ、ただそこで、少し話しをしていただけだ」


やっぱり、教えてはくれないんですね。


「もうこんな時間かぁ、じゃあな」


そう言って去っていく早見チーフは、完全に、山下秘書に恋をしていると私は思う。


とってもわかりやすい人だ。
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