完熟バナナミルク
「ちょっ…、千春さん何やってんすか。」

千春の顔が、あたしの首筋を、舐めるように何度もかすめる。
それはまるで、大型犬が、うら若き女性のお尻を執拗に嗅ぐ様に。
気持ち悪い。あっちいけよ。あたし昨日お風呂入ってないの!!

「椎名さん、発酵してますよ。おかしいな…。」

何がおかしいんじゃい!!あたしだって有機物だもん!
二日もお風呂入らなきゃそりゃ発酵だってするよ!
皆そうでしょ!?ていうかこんな糞暑いのに冷房入ってないってどうなのよ!

「あれ、椎名さん、おかしい原因が分かりました!停電みたいです。」

なんでやねん。って本当だったー!!
いや、あたしもおかしいと思ってたんだよね。
だって千春の顔しか見えないんだもん。外からは変な声しかしないし。

「何か大事件でも起こってるのかな…?椎名さん、どう思います?やっぱこういう時って、自動ドア全開にして、レジ自分でやらなきゃですかね?」

あぁ?なんであたしに聞くんだよ。お前の方が先輩だろうが。
まぁあたしの方が長く生きてるけどさぁ…。

「千春!助けて!!おかしい!!外ありえない!!ガチでバッコバコヤってる!!!」

あたしと千春しか居ないこの秘密の花園に、誰かが外から助けを求めてきた。

「はて、あの声はナツキ。また変な男の家にでも泊まって、襲われたのかな?」

あたしは正直、もうどうでもよくなっていた。真夏の深夜のコンビニで、年下の先輩に、意味の分からない事を言われながらの停電。
早くドア閉めて!と叫ぶ、千春の友達ナツキは、暗がりでも分かる程の豊満な胸を揺らしながらノーブラだった。
そりゃあんた、こんな暑い夜にそんな格好でジョギングしてたら、襲われちゃうよ。
乳首立ってんじゃん。女のあたしでもとりあえず揉みたいわ。はぁ?ごめんね貧乳で。

「椎名さん、何か外が大変みたいです。あ、間違えた。変態だらけです。やっぱ今日、変な日だったんですよ。」

ナツキの話では、本日の宿泊先でお風呂を拝借していたら、突然男が入ってきて、勃…すでに発情していて、
おいおいおい、目が尋常じゃねぇ…、涎も垂らしてるし…。
という事で、下着も着けずに裸足で駆けたら、外は魑魅魍魎、百鬼夜行。そして突然の停電。
ノーパンナツキの運命やいかに!!
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