gangな恋


「続けてるよ、ちゃんと陸上部でね」


「そう…良かった…」


「もーう!だから辛気臭いってば!」


「ははっ、ごめんごめん」




亜由美は本当に変わってない。


話し方も、声も、笑顔も、あの頃と全く変わってない。


むしろあの頃よりもキラキラ輝いているような気がして、胸がいっぱいになった。






「亜由美」


「…どうした?凜」


「…あの時は……本当にごめん!あの時……私が気を抜いてなかったら、あんな怪我しなくて済んだのにっ」


「………り」


「それに亜由美のこと、ずっと放置っていうか……会いにも行かずに……。だから、ごめん。本当に…」




最後の方は声が小さくなってしまって、ちゃんとした言葉になっていなかったかもしれない。


でも、ようやく言えた。


伝わらなかったかもしれない。


けど、一年近く伝えたかった気持ちを、やっと話すことが出来たんだ。

< 299 / 367 >

この作品をシェア

pagetop