gangな恋
とっさに私は彼女の顔を見て、
その見覚えのある人物に驚いた。
「麻衣ちゃん!?」
「「え?」」
拓海の横にいたのは、斎藤和弥の妹――
「麻衣、彼氏とデートか?」
斎藤和弥は動じずに麻衣ちゃんに話し掛ける。
「う、うん。あの…村上君のお姉さんですか?」
「あ…、はい」
年下相手になぜか敬語になる私……
「姉貴……の彼氏?いや、え…?お兄さん?どういうこと?」
「………」
いやいや…
どういうことか私が聞きたいって。
「彼氏なわけな」
「そうそう、俺の彼女。そういうことだから、麻衣。あんま遅くなんなよ」
呆気に取られる私をよそに、あの日みたいに私の手を掴んで歩き出した。