雨音色
タマの口調は、とても力強かった。
反論する余地すら与えないその強さに、彼らはただただ圧倒されているばかりだった。
「今しかありません。
これが、最後のチャンスです。
そして、・・・ご主人様を目覚めさせる為にも」
タマの右手は、ぎゅ、と強く握られていた。
秋の温かい日の光が、窓から差し込んでいた。
その光の中を、埃がまるで光の妖精のように、
キラキラと輝きながら舞い踊っていた。
「・・・タマさん」
藤木が近付き、そして、深く一礼をした。
「決して、無理だけはしないでくださいね。
僕は、貴女にも、幸せになってほしいのですから」
その言葉に、タマは優しく笑って見せた。
「お嬢様の幸せは、私の幸せです」
窓の近くを、秋の風が、木の葉を載せて通って行った。
牧は、そんな2人をただ微笑みながら見つめているだけだった。