光~HIKARI~
5月の始め、少し暖かい風が吹く。




奏と卓は横浜に行ったり、観光地を回った。

夜景をみたりして、休日デートを楽しんだ。


「あーあ、明日でゴールデンウィークもおしまいかぁ…。帰りたくないなぁ。」

奏がそういうと、


「奏、またすぐ会えるしょ?我慢我慢!」


「だって、一週間って意外と長いし。やっぱり寂しいよ」。

「大丈夫だよ。ね!?」


そう、卓が言うと、ブツブツ言う奏の口をふさいだ。

優しくて、いつもドキドキする卓のキス。
幸せの瞬間。

卓に触れられると、心が穏やかになれる。

そのまま卓の腕に包まれて、体を重ねる。


気がつくと、朝になっていて、卓はテレビを見ていた。


「おはよう」。

「卓、おはよう。」

眠い目をこすりながら奏は起き上がる。

その日、夕方まで一緒に過ごして、奏は帰宅した。


休みが明けると選抜授業も始まり、学校は忙しくなってきた。

毎日、同じ事の繰り返しをして、実家に電話をする。
この頃から、よくママからパパの愚痴を聞かされるようになった。

そして、ママは飲み歩いたり、外泊が多くなった。

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