心の中の宝物
「はい。完了。」

「はやっ」


亜美に巻いてもらった髪を見る。


すごくうまい。



人の髪を巻くのって難しいのに・・・

改めて亜美の事を尊敬しちゃう。



「亜美って何でも出来るね。」

「そんなことないよ。てかもう行かないとやばいんじゃない?」



私は時計の針に目をやる。

3時30分だった。



学校の授業が終わるのは3時30分。


ここから学校まで30分かかるからー


「え?やばっ。亜美ー変じゃない?」



私はくるくる回って亜美に尋ねた。

時間がなくても今から好きな人に会うんだもん。

かわいくしとかなきゃ。


「大丈夫かわいいよ。送っていこうか?どうせ暇だし・・・」

「え?でも悪いよ。」

「大丈夫だって。チャリの方が早く着くよ?その間喋れるしね。」

「ありがとう。」


私は亜美の優しさに甘える事にした。



もうすぐ先生と二人っきりって考えると緊張する。



でも後数分でこの気持ちが苦しい気持ちになるなんて思いもよらなかった。
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