濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
病院に着くと、親父が集中治療室の前で紗耶を見てくれていた。
「…今日の事件…大体の事は署長から聞いた」
「…そうか。俺が撃った奴、生死をさ迷ってるらしいな」
「まあ、心配するな。不正発砲にはならない。俺が手を打ってやるから問題ない」
「…権力あるんだな」
「当たり前だ」
俺は寝ている紗耶をガラス越しからじっと見つめた。
早くお前の声が聞きたい。
いつもの元気な声を、一日も早く聞かせてくれ。