濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「なんかねぇ…外人の犯人が私に向かって怒鳴り散らしてたんだよ。あの時はもう死ぬかと思った…」
「…怖かったよな」
「翔ちゃんは本当…凄い仕事してるんだなって思った。翔ちゃんかっこよかったよ」
「…そうか」
紗耶を抱きしめたまま、頭を撫でながら温もりを感じる。
よく…生きてくれたな。
本当、よく頑張ったな。
「紗耶。愛してる」
「私も愛してるよ。またこうして、翔ちゃんと触れ合えて…本当に嬉しい」
紗耶は俺の肩へスリスリと頬を擦り寄せながら、そう呟いた。