濡れた体温ごと奪って-Ⅱ-
「紗耶。俺が署で仕事してるか…偵察に来たんだろ」
「……ご、ごめんなさい…」
「フッ。やっぱりな。謝らなくても気にしてねぇよ」
「…でも私」
「疑われても仕方ねぇ事をして来た、俺にも責任がある」
「ち、ちがっ…私がっ…すぐ変な事考えちゃってっ…翔ちゃんは…悪くないっ…」
隣りで運転してる翔ちゃんの言葉に、堪えていた涙が一気に溢れ出した。
翔ちゃん…どうしてそんなに優しいの…。