バベル
いっそのこと、殴ってほしかった。
もう二度と家に来るな!って言ってほしかった。
父さんのことも、
めちゃくちゃに罵ってほしかった。
なのに、
俺を悪くない、と言い、
母さんを心配し、
もうこの人には適わないな、って思った。
それと同時に決めたんだ。
父さんを許してはいけないって。
嫌いなんてなりたくなかった。
ずっと尊敬すべき人でいてほしかった。
だけど、こんなに好い人を苦しめてる父さんが
許されちゃいけない。