約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて
俺は完璧に真幸の前から消えた。
最後に真幸の声を聞きたくて
電話をかける。
身体がしんどくて長くは話す
ことは出来そうにない。
俺は、真幸のアドレスを
呼び出し、携帯の使えるフロア
でかけてみた。
「もしもし、温人!!」
ワンコールで出る真幸。
「ごめん。真幸。俺の事は
忘れてほしい。 探さないで
ほしいんだ。」
「何言ってるの?どこにいるの?」
「好きな女が出来たんだ。
そいつと生きていきたいんだ。
だから、俺の事は恨んでくれ。
そして忘れてほしい。」
「ふざけないで。
ちゃんと会って話そう。
別れたいんならそれでもいいから。
だから、お願い。
顔を見せてよ。顔を見て言ってよ!!
ねぇ温人。おねがいだから。」
会いたいのは俺も一緒だ。
今すぐ会って抱きしめたい。
俺はくじけそうになって
無言のまま電話を切った。