約束 ~生きていく君へ 余命半年と告げられて

いつもなら、マジキレする
温人の様子がおかしい。



「あ~ぁ。 君のKISSマークが
シャツについちゃったんだけど。
 どうせKISSしてくれるんなら
クチビルにしてもらいたいもんだね。 」


自分から絡んでるし。

うつむいてしまってる
その子の顎を思いっきり
引き上げてる。

おい、温人何する気だよ。


めっちゃ顔真っ赤だよ。

その子。



 「そういうことでKISS予約って
ことでよろしく。」

何言い出すんだ。温人らしくない。


 「はぁ?」

固まっちゃってるし。


 「えぇ~~~。」




可愛そうすぎるだろう。
イジワルはほどほどにしないと。



『えーーーー。』『キャーーーーーー。』

重なる悲鳴悲鳴悲鳴。

ほら見ろよ。
あの子の学園生活地獄だな。



 「約束だからね。 おちびちゃん。」


本気なのかよ。
冗談か?

俺は知らないからな。







 


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