星に願いを~夜空の光~

6月

少しずつ仕事に慣れ始めた6月中旬のこと。

俺は、一人の上司があまり好きになれない。
生きていたら、人にも好き嫌いはあるものだ。
あまり、嫌いな人・・・なんて今までいなかった。

少しずつ、上司に対してのストレスっていう奴が、俺を襲いはじめていたんだ。

毎日車に乗り込み、会社に向かう途中のこと。
「引き返そうかな・・・。」

そう思う。
それは、いつも決まって同じ場所。

それでも、俺は、その気持ちを払うようにひたすら車を走らせる。


ある日と上司と口論になった。
腹がたちすぎて、言われたことも、自分が言ったことも覚えていない。
ただ、覚えていることと言えば、侮辱されていたことと、弱みに付け込んであれこれ言っていた。
ってだけ。

悔しかった。
ホントにやめたいと思ったし。
「くそ・・・」

そんな思いが俺の心の大半をしめていた。


「でも、ここでやめたら、あいつの思う壺。やめて職がなくなってもこまる・・・」

なんとか、前向きに考えられるだけのゆとりはあった。


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