一匹狼と無邪気なワンコ

「チッ」


 俺が呟いたの、分かったんだ。


 内容までは分からないだろうけど、俺の口が動いていたからだよな。


「そんな――」


 そんな前から見てたのかよ!


 俺は恥ずかしさを隠すように、時計に目をやった。


 見ると、針がちょうど12のところへ来るところだった。
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