一匹狼と無邪気なワンコ

「つまんね」


 ボソッと呟き、保健室に一番近い階段を下りると、そこには会いたくない奴が居た。


 やけに背が小さくてウザいそいつは俺に気が付くと、嬉しそうに手を振ってくる。
 

「陸! おべんと買いに行くの? ってオイ! 無視すんな!!」


「大きい声出したら他の人に迷惑だろクソ女」


「うわっ。性格わるっ! その本性友達に見せてやりたいわ!! さぞかしガッカリするでしょーね」


「お前のツレは信じないと思うよ? だって俺王子様なんだもん」

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