hikari【短編集】



陽翔がいるところで見たら、からかわれるに違いない。



そう思った俺は、気になる気持ちを抑え、今は弁当を食べることにした。









5限の時間になり、意味ありげな目をした陽翔と別れ、俺は屋上に来ていた。



今は授業中だし、ここならまず誰も来ないだろう。



安心しきった俺は、フェンスに凭れかかりながら、さっきの包みと紙を取り出した。



「希……」



さっき陽翔が読んだ紙には、明らかに希の字が。



早速読んでみる。



【かーくんへ



今日はバレンタインだね。
今年は忘れたフリして後で驚かす作戦でした。
引っ掛かった?(^^)


かーくんの好みに合わせて、ちょっと苦めなチョコにしました。
もちろん手作りだから、味わって食べてよね?


感想は帰って来てから聞くから、仕事中に電話はダメだよ!


最後に…
ずっと愛してます


ハッピーバレンタイン
希より】











< 137 / 237 >

この作品をシェア

pagetop