hikari【短編集】



結局誰も来なかったけど、恥ずかしいのには変わりない。



しばらくして、やっと離れてくれたかーくんをちょっと睨み付けてみる。



「希、怒ってんの?」



でも大して効果はないようで、かーくんは普通に笑ってる。



「…ここはやだ。もう帰る。」



「はいはい。じゃ、続きは家でな。お姫様?」



口でも何でも、私がかーくんに敵うことはない。



怒ってるというか拗ねてた私は、諦めて差し伸べられたかーくんの手を握った。






「…これからはずっと一緒だからな?希……」



帰り道、繋がれた手に力を込めてかーくんが小さな声で呟いた。



「うん……」



色々あったけど、今日やっと結婚式を迎えた私たち。



「死が2人を別つまで愛し続けますとか…よく言うじゃん?」



「……?」



よく言うかな…?
私が首を傾げていると、かーくんは笑って続けた。



「俺はそんなの無理だと思う。死んでも希だけ。」



「もう……バカっ!///」



未来へ続く2人の絆。



それは…
かーくんの言う通り、『死』という期限も無視出来るくらい、強いものだって私は信じてるよ?



だから……



「…愛してる。」



いつまでも、あなたの隣にいさせて下さい。






―END―






< 188 / 237 >

この作品をシェア

pagetop