hikari【短編集】

☆愛しい人 side kazuma




これは…
俺の人生で一番思い出に残っている、誕生日の話だ─









「かーくん、お誕生日おめでとう!!」



「…え?あ、あぁ…今日、か。そうだったな。」



希が急に満面の笑みで言うから何かと思ったら、今日は俺の誕生日だった…



「忘れてたの〜?もう…まぁ、いいや。はいこれ、プレゼント♪」



希は頬を膨らませてたけど、すぐ元に戻って、笑顔で俺に長い箱を渡してきた。



なんだ…?



「開けてみてっ!」



希に言われるがままに、俺は包装紙を取り、中の箱を開けてみた。



「…っ!希…これ、」



「えへへ…バイトして、お金貯めて買ったの。かーくんに似合うかな〜って思ってさ……」



希がくれたもの。



それは…
シンプルな、シルバーの十字架のネックレスだった。



「ほら…かーくんが初めて私にくれた誕生日プレゼントもネックレスだったでしょ?だから私もって思って…気に入らなかった?」











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