龍の女神となるべき姫【上】
なんとかミーハー軍団を通り抜けてきたけど……。
や、やばい。
これは、いわゆる“迷子”というやつ。
こんなことが拓也君に知られたらと思うと、椅子にふんぞり返って笑い転げる拓也君が、簡単に目に浮かぶ。
冗談じゃない!!
……けど、初めての場所で私にはどうしようもない。
「ねぇ、どうしたの?」
ん?……か、可愛い。
こんな可愛い男の子初めて見た。
金髪のキュートボーイ。
その上困ってる人を見つけたら声を掛けるって、すごくいい子じゃん。