あたし、脱ぎます!《完》


その日は
休み時間が来るたびに、

クラスメイトの他、

3年生からも声をかけられた。



雑誌が出たら、
サインを求められるから……と

真鍋さんと一緒に
練習した甲斐(カイ)あって、

今日だけで
30枚以上の紙にペンを走らせた。



サインの後、

「ありがとう」

「頑張って」と

言ってもらえるのが
ホントに嬉しかった。


励ましの言葉が

心をグッと温めてくれるんだ。




「疲れてないか?」



放課後の教室で、

ギターの練習に行く雄介が
声をかけてきた。



「うん。大丈夫。

あたし、
何だか勘違いしてたみたい。

今まで胸のことを
面白可笑しく言われて

コンプレックスになってたけど、

それって
ただの言い訳だったのかも……」



「言い訳?」



「うん……。

あたし、
自分に自信が無いだけだったのに、

男子から
エッチな目で見られることを
言い訳していたの。

でも
グラビアアイドルになったことで、

喜んでくれる人もいて

……女の子として

自信持てた気がする」




この数か月で

あたしは確実に変わった。






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