あたし、脱ぎます!《完》



朝食を
済ませた後、

早速撮影がスタート。


白い砂浜を
駆け抜けたり、

太陽が
乱反射する海で泳いだり、

ふかふかと
浮いてみたり……。


色んな角度から
カメラが撮影して行く。


笑った表情、

遠くを眺める表情、

ちょっと
センチメンタルになる表情。


海にいると、
気持ちが開放的になる。



太陽が
真上から西に落ち、

海に沈む
夕陽を見ていると

淳平くんに
片思いをしていた頃を思い出した。


下校時に見る夕陽が

こんな感じだった。



あの頃、
淳平くんと付き合えるなんて
思ってもみなかった。


オレンジ色に
染まる空を眺めながら、

内気だったあの頃と

今のあたしを照らし合わせた。



ゆっくりと
沈んで行く太陽を眺めると、

ジーンと

目頭が熱くなった。



カメラが
回っていることも忘れて、

あたしは
まばたきをした瞬間、

頬に
涙がこぼれたんだ。

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