あたし、脱ぎます!《完》



芝生の匂いと優しく包む風。



あたしは
「いただきます♪」と

フランクフルトを口にする。

美味しい!!



「やっぱ、気持ち良いな」と

淳平くんは
ペットボトルのお茶を飲んだ。



「ホントだね。

こんなにのんびりしたの、
いつぶりだろう」



「萌香は
ずっと忙しかったからな。

……何だかこのままこうしていたいな」



空を見上げる淳平くんに

「ホントだね」と
あたしも空を見上げた。



大きな青空に

ゆっくりと流れる雲。



東京で
こうやって空を眺めたこと
あったかな。


山梨では
普通に眺めていた空も、

こう見ると
違ったものに見える。



食べ終わったあたしたちは
シートの上に転がり、

手を繋ぎながら空を眺めた。



似たような雲が
いくつも流れて、

風が吹くと変化する。


近くで遊んでいる子供の声が
だんだんと聞こえなくなった。


瞼が重くなる…



気持ちが良い。



眠い……。






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