あたし、脱ぎます!《完》



電車が
学校の最寄り駅に着くと、

他校の
制服を着た男子三人が

駆け足で近寄ってきた。



「永井萌香ちゃんですよね?

サインもらっても良いですか?」



差し出されたのは、

昨日発売になった
少年チェイスだった。


表紙には

面積の少ない
ビキニを着たあたしが

両腕で
胸を寄せている姿が掲載されていた。



「あ、はい」と

ペンを受け取り、
1ページ目の余白にペンを走らせる。



「ありがとうございます!!」



3人の男子は
駅の改札口を

「遅刻する!」と
ダッシュして行った。



「萌香も人気者だな。

こないだも
雑誌の人気投票で、

萌香の名前があったぞ」



雄介が
思い出すように言って
微笑んでいたが、

あたしは
「うん」と
寂しげな返事しか出来なかった。



「萌香、お前やっぱ変。

東京で何かあったんだろう?」



「……う、うん」



ハッキリしないあたしに、

雄介は呆れた顔で
「ちょっとこい」と、

腕を引っ張った。

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