あたし、脱ぎます!《完》



「萌香!

そろそろ起きなさい!!」



シャーと
カーテンが開けられる音と共に、

瞼の裏側が明るくなった。



「ほら!
冬休みだからって、

昼まで寝かさないよ」



重い瞼を
ゆっくりと開け、

壁かけの時計に目を向けた。


スヌーピーの足が
振り子になった時計は

11時を差している。


もうこんな時間!?と
驚く気持ちと、

お昼まで寝たいと思う気持ち。


そんな葛藤も
お母さんに布団を捲られ、

起きることを選択することに……。


その時、
布団の中で

温かくなったケータイを発見。


急いで手にすると、

受信メールが4件来ていた。



おおお!!!!

淳平くんからメールが来ている!!



4件のうち1件は、

待ちに待った淳平くんからの

返信メールだった。




『メールさんきゅう。

受験勉強から
解放されて良かったよ』



何度も読み返し、

淳平くんの潤んだ唇で

「さんきゅう」と
言ってくれたところを思い浮かべる。



「……ちょっと?

萌香、あんた大丈夫?」



「へ?」



顔を上げると、
あたしを怪訝(ケゲン)そうに

見降ろしているお母さんがいた。

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