あたし、脱ぎます!《完》
「あ、
気にしてないから大丈夫。

淳平くんから
連絡も来ないし、

可愛い彼女が
出来ちゃったんだよ」



出来るだけ
明るく答えるが、

目頭が熱くなる。


佳代が
切なく見つめる姿に、

あたしは
上手に笑えていないことを自覚した。



淳平くんのことは
今でも好き。


嫌いになることなんて出来ない。



淳平くんのことを考えると、
胸が苦しく、

息を吸うのも辛い。


それが今のあたしだった。




「……ごめん。

せっかく
佳代が好きな男の子を
紹介してくれるって言うのに、

重たい空気にしちゃって」



無理に
笑うのを止めて、

素直に答える。


佳代はあたしの肩に、
手を置いた。

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