あたし、脱ぎます!《完》



ズッシリとした

淳平くんの青春。


そんな大切なものを
受け取れるなんて。



この一年、

見ているだけで満足していた日々。


メアドを交換して、

浮かれた日。


そして
ボタンを貰えなくて

涙した今日。


あたしは
淳平くんを好きになって良かった。


片思いだけど、

あたし、嬉しい!!!



「じゃ、
俺ら卒業パーティーがあるから、行くね」



理くんが
淳平くんの肩を叩き、

歩き出してしまった。



「あ、ありがとうございました!」



バスケットシューズを
両手で抱え声をあげた。


淳平くんは振り返り、
「じゃ!」と

手を大きく上げ、

ニカッと微笑んだ。


全身を温めてくれる優しい笑顔。


淳平くんは
そのまま理くんと共に

校門を出て行った。



あたしは
そんな淳平くんの最後の学ラン姿を

熱く目に焼き付けた。


あたしの青春は

淳平くんへの片思い。



淳平くん、卒業おめでとう。

そして、

あたしも片思いから卒業します。

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