あたし、脱ぎます!《完》



トイレに行こうと
廊下を出ると、

あたしを見るなり、

「おお!」と
声を上げる

一人の男子がいた。


谷やんと
よくつるんでいる、
高橋くんだ。



「エロ本、ちょうだい」と

谷やんに
媚(コビ)びているのを
耳にしたことある。


色白で
真面目そうな彼から

そんな言葉が出たときは
驚いたが、

男の子はそんなもんだと思った。



……淳平くんも?

そんな訳ないと思いたい。



高橋くんを気にしながら、
トイレに向かうと、

次に
「すげぇよ。見てみたい」と言う声が聞こえた。



……見てみたい?何を??



背中に感じる視線から逃げるように

トイレに駆け込んだ。


個室に入ると、
便座に腰を下ろし、

頭を抱えるように……

去年のことを思い出す。



……もしかしたら、また??

< 50 / 383 >

この作品をシェア

pagetop