あたし、脱ぎます!《完》



目を丸くしているあたしに
佳代は、

「実は、
兄貴の様子を見て来て欲しいって
母さんに頼まれたの。

ほら、
うちって
GWも仕事だから、
誰も見に行けないでしょ。

だから
私が偵察(テイサツ)して来いって」



佳代の家は、
両親とも旅館で働いている。

GWは
観光客が多いから、
休むことが出来ないのだ。



「その
ついでって訳じゃないけど、

淳平くんの大学に
行ってみようよ!!

兄貴にも
付き合ってもらうから!!」



……ホ、ホントに?!

もう会うことが出来ないと思った淳平くんに会えるの!?



「だから
GW予定空けておきなよ!」と、

佳代はあたしの肩をポンと叩いた。



「佳代!!ありがとう!!!」



あたしは立ち上がり、

佳代のことを抱きしめた。



「萌香!!痛い!!
わかったから!!」



佳代は
子供をあやすように

あたしの背中を叩きながら、

笑顔で答えてくれた。

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