あたし、脱ぎます!《完》



「萌香?
私にも協力して?

私、
雄介くんの彼女になれないかな?

今、彼女がいないなら、

私じゃ……

駄目かな?」



佳代は
指輪を指でなぞりながら言った。



「駄目じゃないよ。

雄介も
今はフリーだから頑張ってみなよ!」



「ホント?
……じゃ、
私、頑張ってみる!

……でも
今まで乱暴な言葉使いや
男子に蹴り入れたりしたから……。

雄介くんも
私のこと男みたいと思ってるよね?」



不安そうに言う佳代は、

確かに男より男らしい。


あたしは
そんな佳代が好きだけど、

生意気な男子に
蹴りを入れたり、

教室で騒いでいる男子の
頭を叩いたり……。


クラスの男子からは
恐れられていることは確かだ。



「自分で
分かっているなら、
直そうよ。

とりあえず
格好から入るのも良いと思うよ」



「私もそう思って、
雄介くんが
好きそうな女の子に変身したいの!

だから
今日は109で買い物したかったんだ!」



佳代は
そんなこと考えていたんだ。

気付かなかった。

でも誰だって、
彼に似合う女の子になりたいもんね。

好きな人に
好きになってもらいたいもんね。

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