あたし、脱ぎます!《完》



帰る時間を事前に
連絡しておいたので、

お父さんが
駅のロータリーに迎えに来ていた。


車に近付くと、

ケータイを一生懸命打っている
お父さんの姿が見えた。



ドアを開けると
「おお!!お帰り」と

ケータイから目を離し、
あたしたちに向ける。


趣味のブログを書いていたのだろう。


最近、
お母さんのフラダンス修行も

変化がなく、
つまらないと嘆(ナゲ)いていた。



「お父さん、
佳代の家まで送ってあげて」



「はいはい。

……佳代ちゃんは
ずいぶん、買い物したみたいだね」



お父さんも
佳代の紙袋の大きさに声をかける。


さっき電車の中で
聞いたけど、

今日は6万円も使ったらしい。


高校生が使う金額じゃない!!



「今日は
欲しいものがたくさんあって♪」


嬉しそうに答える佳代。

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