1コ下のキミ

アピール



あの日から、木岐郁未はさらになつくようになった。


「え、お前ら付き合ってんじゃねーの?」


……そんな誤解をされるほどに。


「ちげーよ」

「だったらさっさと付き合っちまえよ」

「付き合う事が目的なんじゃねーの、アイツは」


今話してるのは洸稀。

不良の集いの中でちゃっかり一番仲良くなっている。


「じゃ、なんだよ?その目的って」

「俺に名前で呼んでほしいらしい」


きっとコイツも理解できねぇだろ?


「あぁ、お前呼んであげてねーの?呼んでほしがってんだろ?呼んでやれよ」

「……俺にも考えがあんだよ」


……チッ。

木岐郁未側に付きやがって。


「それに木岐さんの妹のだろ?有名じゃん。彼女にする価値はあるぜ」

「だから、付き合う気はない!」
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