１コ下のキミ

郁未の顔が曇った。


「でも俺が言われて従う奴じゃないことくらい知ってんだろ？」

「え？」

「お前に興味が湧いた」


ある意味、『告白』なんだと思う。


「空気のお前が俺だけに懐いてくる。そのうちにお前のことも知っていって、まぁ同情もなくはないが俺からすれば別にそんなん関係ねぇし」

「……じゃ、お兄ちゃんのこと……？」

「怖くねぇわけじゃねーよ？でも妹がそんだけ言ってんなら、それが全てなんだろ」


……きっと、相当嬉しかったんだろう。


泣き始めた。


「……っく……」

「ブラコンのお前を信じて、会ってやるよ、木岐さんに」

「……ぶ、ブラコンじゃないも……っ」

「泣くなよブラコン郁未」

「ブラコンゆーなっ」


泣き笑い。

俯いたまま涙を流して、さらに笑い始めた郁未。