*王子様に恋をして*

*現実を知る水曜日*







「あたしちょっとおトイレ行ってくるー」


「んー、迷子んなんなよー」


「なんないもんっ」


失礼しちゃうな


トイレに行くだけに迷子になんかなるはずないじゃんか


私は少し早歩きでトイレに向かった









ふぅ~、スッキリしたぁ~


蛇口を捻って水を出し、そこに手を持っていく


冷たいな


金持ち学校だったらこういうところにもお金をかけてほしいものだ


いくら4月だからってまだ少し肌寒い


お湯がでれば真冬でも冷たいの気にしないで手、洗えるのに


そんなことを考えながら水を止めてハンカチをスカートのポケットから出しながら教室に戻るために少しずつ歩き出す



「…樋口さん?」


と、トイレのドアを開けて出ようとするところで名前を呼ばれた




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