秘密の花園



「ちょっと!!なにすんのよー!!」


背後から忍び寄る黒い影に突然、私の体の自由は瞬く間に奪われたのだった。


「うるせーなー。離したらお前はまた逃げるだろ?」


あったりまえでしょ!!


私を捕えたのはもちろんサタンだった。


助けて、おかあさーん!!


サタンの野郎、こともあろうにうら若き乙女を羽交い絞めにしやがった。


精一杯首を回して、キッとサタンを睨みつける。


「用は済んだんだから放してよ!」


「俺の用は済んでない」


サタンはしれっとした顔で言いやがるから、尚のこと腹が立つ。


「あんた私のことなんだと思ってんのさ。言っとくけど!!羽交い絞めにされて喜ぶのはドMと子供だけだから!!この変態!!」


「わかったから静かにしろよ…」


変態のひと言がきいたのか。サタンがようやく離してくれた。


こやつ…。やはり油断ならぬ。


“悪かった”のメールにそそのかされて、やつの根城までやってきた私が甘かった。


やっぱり探しに行こうか、エクスカリバー。


ああ、それとも今こそ『世界の毒草500選』が役に立つとき?


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