秘密の花園
あーもうどうしよう……。
売店で買った紙パックのジュースに差したストローを行儀悪く噛みながら、次の授業の教科書をめくる。
チラチラと視界に映るのは、さっきもらったノートの切れ端だ。
結局ゴミ箱に捨てるわけにもいかず、所持したままになっている。
この厄介な代物をくれた彼は私と同じ専門科目の授業を受けていたから、きっと同じ学部なのだとは思う。
……一度も話したことないけど。
というか、名前すら知らないけど。
あ、そうか人違い?
って、本人を目の前にして渡す相手を間違えるわけあるか!!
そうやってひとりノリ突っ込みを繰り返していると、段々考えることが面倒になってきたので、私は空腹の胃にパンを詰め込む作業を再開した。
……もう、知るか。
椅子に座ってひたすら無心でパンを齧る。
パンの袋を2つほど空にしたところでまみちぃがラウンジにやって来た。