秘密の花園

「は?嵐子?」


「いいから!!謝んなさいよ!!」


頭の回転の鈍いミスターキャンパスに怒鳴っていると、柱に隠れていた嵐子が顔を出した。


「ダイちゃん……」


「よく分からないけど、ごめん……」


手間かけさせないでよね!!


腰に手を当てて憤慨していると、まみちぃがケラケラ笑いながら携帯の液晶を見せてくる。


「見て見て。さっきのキック撮っちゃった」


「やだ、おパンツ丸見えじゃない」


しかも、佐田さんの家に泊まった時に装備していた1000円のやつだ。


スカートでドロップキックなんてかますもんじゃないわねー。


「佐田さんに送信しちゃお」


なーにー!?


「やめてよ!!また怒られる!!」


「はい、残念。もう送信しちゃった」


嘘でしょ!!


まみちぃから携帯を奪い取って、送信中止ボタンを何度も叩く。


携帯は無情にもメールが無事届いたことを知らせてくる。


私はその後、当然のごとく佐田さんからきついお叱りをもらった。


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