秘密の花園





「俺と付き合ってくれませんか?」






へっ?






今のは空耳?それとも妄想?


水瀬さんは呆けている私の背後に向かって声をかける。


「佐田さん?何やってんですか。さっきからどこに行ってたのかと思いましたよ」


私が昨日座っていたソファには水瀬さんの他にもうひとり男がいた。


肘おきを枕代わりに寝転がっている様子は謙虚や礼儀正しいという言葉からはかけ離れていた。


「暇つぶしにゲームやってた」


そいつはニヤリと笑って手元に目をやった。


「今時のゲームってすげえな。声優まで凝ってる。信じらんねーよ」


ゲームって…。


恐る恐る男の手元を覗き見る。


ああああああ!!やっぱり!!


幕末戦士~恋の百花伝~!!



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