秘密の花園





「アチョーっ!!!」


「うおっ!!」






ソファの影から奴の鳩尾に喰らわせた一撃は自分でも惚れ惚れするような会心の出来だった。


「な…なにすんだ…てめえ…」


サタンが息も絶え絶えになっている隙にTSを取り返す。


スイートハニー!!ようやくこの手に!!


嬉しくてTSに頬ずりをしているとゆらりと顔に影が差した。


「いい度胸してんな?覚悟できてるんだろうな?あ?」


忘れていた。サタンは不死身だった。


いやぁな汗が背中を伝う。


「ゆ…」


こういう時は…。


「許してーっ!!」


逃げるが勝ちっ!!


私は脱兎のごとく店の扉へと走り出した。


でも黙って見逃してくれるサタンじゃなかった。


「んのやろ!!待ちやがれ!!」


う…嘘でしょっ!?追いかけてくる?普通!!


こうして私とサタンの世にも恐ろしい追いかけっこが始まったのだった。




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