秘密の花園



「ちょっと!!」


非難の声はサタンによってかき消された。


「お前いくつ?」


「今年20歳になったけど…」


サタンの指が何かを確かめるように髪に触れる。


「じゃあ学生だよな?」


「まあ…」


妙なことを聞かれるなと首を捻る。


そんなに学生が珍しいか?


「化粧もオシャレもしないで、髪はそのまま。そんな女に価値はねーよ?」


「っ!!うるさい!!」


怠慢を指摘されたのが悔しくてサタンの手を振り払う。


どうせ私はダサくては地味な女よ!!


自分で自覚しているだけにひとに言われると腹が立つ。


「あんた一体何様のつもり!?」


やっぱりサタンだ。魔王は本格的に花園を壊しにやってきた。




< 40 / 289 >

この作品をシェア

pagetop