秘密の花園



「明日の3時に予約しといたから。ちゃんと行きなさいよ?」


まみちぃの突き刺すような視線が痛い。微かな望みを託して尋ねてみる。


「つ…ついてきてくれないの…」


「明日はデートなの」


きっと今日の男とは別の人に違いない。


「唯香は?」


「友達と買い物する約束してるんだ」


無情にも猫なで声はシレッとした表情でかわされた。


「この薄情者達めっ!!」


焚きつけといてこれか!?


もう誰も信じるもんか!!


「私の味方はソウイチさんだけだー!!」


うわーんとTSに向かって泣きついた。


ソウイチさんが「辛い時は泣いてもいいんだよ」と慰めてくれる。


私ひとりで魔王に挑めと?


ゲームの世界だってこんなに残酷じゃない。


今度から仲間探しは念入りにしようと心に決める。



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