秘密の花園



「まったく!!わかってないよ、あんたは」


まみちぃはイライラしながら頭を掻いた。


「いーい?耳の穴をかっぽじってよーくお聞き!!」


両耳を引っ張られ、怖い顔ですごまれた。


まるでメデューサに睨まれたように体が固まってしまう。







「ゲームより現実世界の方が痛いことや辛いことがいっぱいあるんだからね!!」







まみちぃはふぅっと息を吐いた。


「またね」


パタンと閉まった扉が私達の世界をふたつにわかつ。


「まみちぃのバーカ…」


わかってるよ、言われなくても。


現実世界の方はゲームみたいにうまく行かない。


そんな当たり前のこと。


…わかってるけどわかりたくないんだよ。


自室に戻ってテレビをつける。


ゲームのスイッチをつければ、そこには素敵な花園が広がっている。


「ソウイチさん…」


もうちょっとだけ勇気をください。


現実世界で生きなければならない私に勇気を。



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