夏の恋物語


あたしは高校時代、

モデルをやっていた。


それなりに、人気のある雑誌で、

「モデル・津野田麻里」

としても、結構な支持を得ていた。


仕事としては、ファッションについて
色々勉強できたし、

何よりも楽しかった。



でも、仕事と学校の両立なんて、
あたしにはできなかった。


学校に行く日も、仕事で削られて
勉強はついていけなくなるばっかり。

それに、嫉妬や妬みもウザかった。

変な噂流されたり、陰口言われたり…。


あたしは最低限、高校卒業はしておきたかった。


それに、普通の高校生に戻りたかった。



そして、あたしはモデルの仕事を辞めた。

ちょっとわがままな理由だけど、

辞めた事で、充実した日々を送れたことは事実。


「麻里ちゃん?もうそろそろ上がっていいわよ」


「え?もうですか?」


「奈美ちゃん待ってるみたいだしね」


「奈美の事は気にしないでください!」


「いいの。それに、今日は割とお客さんも少ないし」


「本当ですか?じゃあ、お言葉に甘えて」


「それから、麻里ちゃんのバイト、明日から一週間、休みにしておいたから」


「えっっ?なんでですか?」


「ここ毎日、休みなく働いてくれてるでしょ?まだ若いんだから、夏を楽しみなさい」

「店長…」


「あと、いい男ゲットするのよ」


そういうと店長は

あたしの肩をポンっと叩いて

笑いながら奥の部屋に入っていった。


もう、店長優しすぎっ!!!!
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