Hurly-Burly2【完】

アタフタしながら動き回るあたしは最近借りた

『日本にある伝説』とかいう本がちっとも読めない。

あたし自身焦ってテスト勉強とかしない。

大体、頭に入ってるからそれを引っ張り出すため

チラリと教科書見てしまえば楽勝なんだ。

「日和ちゃんっていつもテスト勉強とかしないの?」

馨君はナル君に数学を教えてるようだ。

「う~ん、やったことないかもね。

ここの受験もただ受けて見たら受かってしまった

だけだし、普段から好きで勉強してたからとくに

苦労したことがないというか・・・・」

不良メンバーズの視線痛い。

「日和の家族はみんなありえないほど頭いいの。

それに体育とか美術とかも天性の才能持ってる

みたいで出来ちゃうし、日和って苦手な科目がないのよ。」

サユがジュースに口を付ける。

さすが、さーちゃんだよ。

あたしと長年連れ添った仲だけある。

「日和ちゃんってすごいんだね。」

そう言われると照れる。

「大したことないよ。」

何か、恥ずかしいわ。

サユが自慢に思ってくれてるみたいで嬉しいけど、

あたしとしてはただ好きでやってただけだから

褒められると嬉しい。

「おめーの頭どうなってんだよっ!!

妄想ばっかしてたんじゃねぇのかよ。」

あんたさ、グズグズ言ってる場合か?

文系が駄目じゃないか。

妄想は趣味なのよ。

「そこ違う。」

イラっとしながら金髪ライオンのノートを

覗き込む。

コイツ漢字が苦手なのか。

「ヒヨリン居ると頼もしいよ。」

ナル君は疲れたと言いながら馨君に休憩を

おねだりしている。

「そう?」

それなら、今までどう乗り切ってたの?

不良メンバーズの数名には進級出来てるヤツ居るけど、

何かの間違いで進級出来ちゃったのか?

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