妖魔04~聖域~
二度と帰らぬ世界に急ぐ一つの希望。

永遠に一緒にいられると望んだ世界は容易く壊れ、彼女は悪魔との契約を果たす。

悪魔は成果を出せた事に達成感を感じるだけであった。

そして、妹は寝ている姉に微笑みかけて奈落へと向かう。

屋敷を後にした悪魔が聞いたのは、同じ悪魔の歓喜と狂気の歌声。

悪魔達にとって彼女は魔王への供物に過ぎない。

生まれた時から存在する人間の皮は剥ぎ取られ、肉片となろう。

悪魔に捧げられながらも彼女が祈るは永遠に続く姉の笑顔。

悲惨な最期を迎えた彼女の願いは果たして神へと届くのであろうか。



少年は妹の願いを聞き届け、姉から色々な思い出の破片をもぎ取りました。

姉は物を言えますし考えることも出来ますが、村の事や妹の事、自分の事すら覚えておらず、少年の事を親代わりだと思い込みました。

しかし、少年は彼女の事を研究対象としてしか見ておらず、初めて契約妖魔の実験に成功したのでナンバー00と名づけます。

彼女はそれを不思議に思うこともなく、ただ頷くだけでした。

そして、二人の旅は始まります。

路銀がなくなれば、少年は彼女に客を取らせました。

全てがなくなったわけではない彼女の記憶の片隅にこびりついたものによって、それは出来ると彼女自身もやる気でした。

そして、二人は旅を続けます。

探究心がある限り、彼の旅は終わりはありませんでした。
< 108 / 330 >

この作品をシェア

pagetop