妖魔04~聖域~
不本意な状況で契約妖魔と成ったロベリアを戦わしても良いのか?

何も知らないまま俺を王子と思い込んでいるようだが、違うような気がする。

希望と引き換えに手に入れた平穏を壊してしまう。

妹の希望があるというのにも関わらず、ロベリアに辛い思いをさせようとしてる。

俺は連れて行く事を反対だが、彼女の意志を聞きたい。

「ロベリアを、呼んでくれないか?」

「君だけでは決めないようだね」

「正直、ロベリアを戦いには巻き込みたくはない。戦いの道具にもしたくない。でも、俺だけで物事を決めるのは違う」

世界に慣れるまでは傍にいてやるのも必要なのかもしれない。

それが、封印を解いた俺の責任なのだろう。

今は、ロベリアの答えを確かめなければならない。

一つ確かなのは、娼婦の仕事をやる必要はないという事だ。

その時、喋らずにいたお吟さんが倒れた。

「お吟さん?」

珠の汗を肌に浮かばせ、荒い息を立てて苦悶の表情を浮かべている。

お吟さんを抱きかかえて、様子を伺ってみるが状況が解らない。

「風邪、なのか?」

「違う」

ラインが顔を俺の傍に寄せながら、お吟さんに対して触診する。

「彼女は無茶をしてきたようだね。コアのメンテナンスを行わなければ、暴走してもおかしくはない状況だ」

島で見た暴走しかけのカメリアと姿がダブる。
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