妖魔04~聖域~
お吟さんは身を起こす。

「俺、お吟さんに、無茶させてたんだな」

お吟さんの問いには答える気力はなかった。

「お前は本当に馬鹿だ」

「かもしれねえな」

お吟さんに無茶をさせ、ロベリアを戦場に借り出し、敵が子供だと助ける。

「少しは成長したかと思えば、全く成長していない」

「そうか」

「悩みは思考を鈍らせるだけさ」

俺の腕に擦り寄って来た。

「私は私の好きなようにしたから倒れた。どこにお前の責任がある?」

「だからって」

お吟さんが俺の口を自分の唇で防ぐ。

数秒間、テクニックを駆使され、頭がぼんやりとしてしまう。

「お前は強くなったよ。でも、まだお前には背中を預けられない」

「お吟さん」

先ほどの事から、心の強さが足りないのだろう。

人に悩みは付き物である。

しかし、余計なところで悩む癖がある。

それを、無くせという事なのだろう。

「だが、今回はお前のおかげで生かされたな」

「俺だけじゃない。ロベリアがいたからこそさ」

ロベリアの力があったからこそ、乗り切る事が出来た。

最後はどうなったのかはわからなかったがな。
< 124 / 330 >

この作品をシェア

pagetop