妖魔04~聖域~
「いいのか?」

「王子様、我が魂が共に輝けるのであれば、それは幸せの印」

「迷惑をかける」

「私は、王子様と王女様の歩みを見届けたい」

「だったら、負けるわけにはいかねえよな」

その言葉が合図となって、ロベリアからコアを抜き取り、白衣の戦人へと変身した。

「禍々しい奴じゃのう」

ジジイは構えることなく立っている。

「あんたも本気か」

すでに風貌はジジイではない。

若かりし姿に戻っていた。

龍姫とは逆の事を、ジジイはやってのけたのか。

本気でお吟さんを手放したくないらしい。

原理など気にしている暇はない。

先ほどよりも大きい圧が全身にかかっている。

これが戦人、葉桜靜丞という男の力。

「どうした、体が震えておるぞい」

「うるせえよ」

近づこうとした瞬間、腹に衝撃が走っている。

「ゴア」

何が起きたというのか。

ジジイとの距離はまだ開いているのにも関わらず、俺は攻撃を受けたみたいだ。

「見えねえ」

今度は右頬に衝撃が走り吹き飛ばされる。

「ぐう」

地面に体をこすりながらも、片膝を付いた状態で一時停止する。
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