たった一人の… 【短編】
不快な目覚ましの音で目を覚ます。

外は、私の心とは正反対の快晴だ。

今日で本当に終わりか…。

♪〜

この着信音は明日からはもう鳴る事はないだろう…。

羅『はい。』

琉『羅依、もうすぐ着くから。』

羅『わかった。外に出て待ってる。』


私は着替えを済ませて外に出た。

琉『おはよう。』

えっ…?

そこにはいつもと変わらない 優しい顔で微笑む琉聖がいた。

琉『どうした??』

羅『おっ、おはよう。』

もしかしたら昨日の事は夢かもしれない。

だけど、夢でも何でもなかった。 数分後、私は現実へと引き戻される事となる。

…琉聖の家の前…

部屋に入ると、私の荷物がまとめられていた…。

琉『足りない物ない?』

羅『うん…。』

琉『羅依、こっちおいで。』

羅『えっ?』

琉『は〜や〜く!!』

これから本当の別れが訪れるというのに、どうして琉聖はこんなにも自然でいられるのだろう…。

私は不思議に思いながらも、琉聖の隣りに座った。


そして私達は最後にお互いを求め合った。

私の頬には最後まで涙が流れていた。

琉聖…私は世界でたった一人のあなたを本当に愛してた。それは今でも変わらないよ…。

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